歯周病は、歯を失う一番の原因となっており、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがわかっている慢性疾患です。
歯茎の炎症から始まり、進行すると歯を支えている骨が吸収し、最終的に抜けてしまいます。
細菌の種類や数、歯並び、生活習慣や治療に対する組織の反応など、個人差の大きい疾患ですので、しっかりとした診断の上で治療に対する歯肉、骨の状態を評価しながら治療を段階的に進めていきます。必要に応じて歯周外科処置まで行いますが、必要としない方もいます。不要な侵襲を避けて歯周病の進行を停止し、メインテナンスに移行できるような治療を心がけています。実際の治療はステージごとに再評価をして個別にカウンセリングを行いながら次のステップが必要であるか患者様と相談しながら治療を進めていきます。

歯周病は生活習慣病なので「通えば治る」というものではなく、セルフコントロールが重要で、「自分の歯を守る!治療に参加する!」という意識が大事です。正しい知識、技術を提供いたします。

一緒に頑張りましょう!

主な治療法

■ 歯周基本治療
ブラッシング習慣を含めた生活習慣の改善、ご自分では取れない歯石の除去、食事指導、食いしばりなどの悪習慣に対する指導、お口の周りの筋肉のトレーニング(MFT)、噛み合わせの調整、クリーニング、歯石除去、揺れている歯の固定、禁煙指導などを行います。リスクが高いと判断される患者様には歯周病原菌の細菌検査を実施することがございます。

■歯周外科手術

歯周基本治療後の再評価で改善の少なかった部位に対して、炎症の除去と自分自身でのメインテナンスを容易にする環境を作ることを目的とした外科処置です。様々な種類の外科処置がありますのでしっかりした診断の上、患者様ごと部位ごとに一番適した治療をご提案いたします。

・歯周組織再生療法
一度失った歯周組織を再生する処置です。様々な技術や材料の発展により、失われた歯周組織を回復させられる場合があります。基本的に顕微鏡を使いながらの処置になりますので、精度の高い治療が可能となり、術後の回復も早いことが多いです。保険の診療でも可能な場合がありますので、ぜひご相談ください。

・歯周形成外科
落ち込んでしまった歯茎は自然に戻らないことが多いため、別の場所から組織を移植して、ご自身でメンテナンスしやすい環境をつくったり、見た目の美しさを取り戻します。歯肉退縮(歯茎下がり)はブラッシングの仕方が原因になっている場合もあるため、改善後に必要に応じて外科処置を行います。

■メインテナンス

歯周病に限りませんが、改善したお口の状態を維持するために最も重要なのがメインテナンスです。メインテナンスでは患者様のお口の状態の変化を歯茎や噛み合わせ、虫歯の有無など総合的にチェックしてブラッシングを含めた毎日の生活習慣の見直しをしていきます。衛生士さんによるクリーニングも含まれます。治療を終えるとついつい『これで終わり!』と考えがちですが、治療を終えても患者様の人生は続きます。全身の健康状態やお口の状態は年齢とともに必ず変化していくものですので、痛くならないうちに、不調が表面化する前にメインテナンスで変化に備えることが重要です。実際にメインテナンスに通われている方と不調がある時のみ通われる方では将来的に残せる歯の数が全然違ってきます。

当院の特長

治療の発達により、歯周炎が重症化しても組織の回復を図ることが可能になるケースもあります。しかし、たとえば喫煙されている方や糖尿病に罹患している方は治り方が悪くなるなど、人によって進行度合いと治り具合は様々です。できるだけ多くの歯を残せるようしっかりと患者さんの状態を把握し、最適な治療をご提案します。
また、歯茎が戻ると歯磨きもしやすくなります。毎日の歯磨きで口腔内の清潔を保ち、歯周病の再発リスクを抑えていきましょう。もっとも重要なのは、メインテナンスです。自分のお口の健康を維持することの大切さを理解していただくことが重要です。